Columnコラム
2023.10.02
Marketing
「ペルソナ」という言葉をご存知ですか?マーケティングを行う際のポイントは顧客を絞り、その顧客に対してアプローチを行うことです。
そこで重要になってくるのが「ペルソナ設定」です。
この記事ではペルソナ設定の基礎知識やメリットデメリット、設定方法について解説します。
ペルソナとは、あなたの商品やサービスの理想の顧客の人物像です。
コンテンツマーケティングやリードナーチャリングなどのマーケティング活動においてペルソナは必須です。
ペルソナは理想の顧客そのものではありません。どういうことかというと、1人の顧客が全ての理想的な条件を満たすことはないので、
既存顧客の情報やインタビューなどの実在する情報から架空の理想の顧客「像」を描きます。これをペルソナと呼びます。
ペルソナのための理想の人物像で考えるべきことには以下のようなものが挙げられます。
この10項目を定義をすることが適正なペルソナ設定だと言われています。
ペルソナと混同しがちなマーケティング用語として「ターゲット」があります。
ペルソナとターゲット、どちらも商品やサービスを届けたい「ユーザー像」であることは同じですが、その像をどれだけ深掘りするかが異なります。つまり、性別や年齢、消費動向によりセグメントされたグループである「ターゲット」をより深く分析し、解像度を高めた、人格を持った具体的な人物像が「ペルソナ」です。
マーケティングにおけるターゲットは「想定顧客」を意味し、従来のマーケティングでは、「30代の都内在住の専業主婦」や「40代~50代の高収入な男性会社員」など年齢・地域・業種などの特定の属性・条件によってセグメントし、ターゲットとして設定するのが一般的でした。しかし、近年のライフスタイルや価値観の多様化により、このようなグルーピングだけでは不十分であることも多いのです。
「30代の都内在住の専業主婦」の中にもさまざまな価値観、ライフスタイル、消費行動、趣味嗜好などがあり、「30代の都内在住の専業主婦」というターゲットに向けたマーケティングだけでユーザーのニーズに的確に応えることが難しいことも。
そこで登場したのが、「ペルソナ」です。例えば「30代の都内在住の専業主婦」の一人を、実際にその人物が存在しているかのように、年齢や家族構成、趣味やライフスタイル、価値観や悩みなど、より具体的にそのターゲットの人格や背景を掘り下げ、解像度をあげることで、境遇・心境などをリアルにイメージすることができ、的確なマーケティングにつながります。
ペルソナを設定するメリットは以下の通りです。
それでは一つずつ解説していきます。
ペルソナ設定をする際に、理想の顧客像を考え顧客への理解を深めます。
ペルソナがどういった人間で何に興味を示し、どんな趣味嗜好を持っているのか。
あるいは、どんな悩みごとを抱えていて、何に苦労しているのかを知ることで顧客の行動や心の動きを予想することができるようになります。
ペルソナを関係者全体で共有することで、コンテンツ発信を円滑にします。
もしあなたの会社で部門の垣根を越えて複数の人間がコンテンツマーケティングに携わる場合、ターゲット像が明確に定まっている必要があります。
関係者全体で共有されたターゲット設定があれば、メンバー同士の認識のすり合わせが円滑に進むからです。
「これはペルソナに適合しているから大丈夫」「これはペルソナから外れているからNG」といった判断ができるようになり、意思決定が迅速になります。
ペルソナが設定されていれば、狙う顧客層が明確になっています。
つまり、万人受けを狙うのではなく、ターゲット層を狙ったアプローチができるようになるということです。
選択と集中とは自社の得意とする事業分野を見極め、その事業分野に対して経営資源を集中的に投下することによって経営効率や業績を高め、競合他社との差別化を図る攻めの経営戦略のひとつです。
作成したペルソナが正しいものである場合、そのペルソナを元に商品を見なおせば、商品改良情報は比較的簡単に収集することができます。
また、ペルソナが必要とする機能やサービスを定期的にリリースすることで、効率的に市場に情報を提供することができます。
ペルソナの設定は、マーケティングに大きなメリットをもたらしますが、以下のデメリットもあります。
一つずつ解説していきます。
先ほどの10項目を埋めていく作業に入ります。しかし、適当に情報を埋めていけばいいというわけではありません。 データを収集して理想の顧客像を作成する必要があります。 データの集め方は「WEBアンケート調査」「街頭インタビュー」「既存調査結果の活用」「WEBアクセス解析」「競合他社調査」などがあるので、データを収集して人物像を分析していきましょう。</br 可能であれば、ペルソナのイラストや写真も準備しておくといいでしょう。そうすることでよりペルソナをリアルにイメージすることができます。 ペルソナを作るときに注意して欲しいことがあります。それは顧客像を想像や理想だけで作り上げてしまうことです。 ペルソナは架空の人物ではありますが、実在する顧客のデータに基づいて作成するからこそ、商品企画やマーケティングにヒントを与える存在としての価値があります。理想を飛び越えて「夢」の見込み客プロフィールを作り上げないように注意しましょう。</p>
https://www.soup-stock-tokyo.com/
1999年に創業したスープ専門店Soup Stock Tokyoは、「食べるスープの専門店」として、全国60以上の実店舗を展開しています。都心で働く女性が1人でも入りやすい店づくりを目指し、オフィス街や駅ナカといった立地に出店。さらに無添加でヘルシー、素材の味を楽しめるバラエティ豊かなスープは女性からの高い支持を得ています。
Soup Stock Tokyoを成功に導いたマーケティング戦略の一つが、詳細なペルソナ設定にあると言われています。そんな立役者とも言えのが、架空のお客様像であるペルソナ、「秋野つゆ」さん。
・37歳の都心で働くキャリアウーマンで、都内に在住
・個性的でこだわりが強く、シンプルでセンスの良いものを追求
・社交性があるが、自分の時間も大切にし、人のことはあまり気にしない
・フォアグラよりレバ焼き、平泳ぎよりクロールが好き
など、属性だけでなく日常の過ごし方から思考まで細かく設定。
この「秋野つゆ」さんに通ってもらえる店舗はどのようなものか、 好きになってくれるメニューは何か?を判断軸に店づくりやメニュー開発を行ったそう。
このように明確で具体的な人物像を共通認識にすることで 秋野つゆが「消費に至る思考」、「不満や悩み、解決したいこと」、 「幸せを感じること」などを戦略に落とし込み、一貫性のあるブランドに。 その結果、スープ専門店Soup Stock Tokyoはまさに「秋野つゆ」さんと近い属性の 働く女性たちから絶大な支持を得て、大きく成長していくことになったのです。
1905年に創刊、100年以上の歴史を誇る現存する日本最古の女性誌、「婦人画報」。
旅行、グルメ、ファッション、ビューティなど、幅広い掲載内容で、ハイカルチャーを扱うラグジュアリーメディアとして、婦人誌の代表的存在となっています。
そんな「婦人画報」にも、詳細なペルソナ像が設定されていることをご存知でしょうか?
HEARSTが提供する婦人画報の媒体資料によると、 婦人画報のペルソナの価値観は 「教養あるラグジュアリーを好み、価値に対しする投資はおしまない」こと。 1ヶ月間に自由に使える金額も平均18万円と高く、購入先は百貨店が中心。 世帯年収、資産総額も高く、ラグジュアリーなライフスタイルが伺えます。
日常的にインターネットにも触れるものの、友人や家族、知人とのコミュニケーションにも意欲的。 情報収集はネットよりもリアルなコミュニケーションや場を大切にする傾向です。 また、経済的ステータスが高く、モノ消費だけではなく旅行や飲食などのコト消費についても積極的。ライフワークや体験など、知的好奇心を満たす「意志のある消費行動」をするという点で、独自性を確立していると言えるでしょう。
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