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2025.02.04

DESIGN

MARKETING

女性デザイナーが解説!インスタグラム広告のバナーデザイン

現在、SNS広告は広告業界において欠かせないマーケティング手法となっています。 特に、視覚的な要素が強く直感的に情報を伝えられるInstagram(以下、インスタグラム)は、女性ターゲットへの商品認知を広げるうえで非常に効果的なプラットフォームです。
美しい写真や洗練されたデザイン、興味をひくコピーがユーザーの目を引き、購買意欲を促す大きな役割を果たしています。
そのため、多くの企業がインスタグラム広告を活用しています。 本コラムでは、弊社の女性デザイナーが、クライアント様案件において携わったインスタグラム広告用のバナーデザインについて解説します。
これまでのプロジェクトで女性ターゲットに効果的にアプローチするためにこだわったポイントや、
インスタグラム特有のプラットフォームの特性を活かしたデザインの工夫をはじめとして、
ターゲットを問わず幅広いユーザーに共感を生む広告を制作するための秘訣についても女性デザイナー視点で深掘りしていきます。

 

 

インスタグラム広告の種類と配信方法

インスタグラム広告には、大きく分けて2種類のクリエイティブ形式があります。 1つ目は画像広告で、静止画を使用して商品やサービスの魅力を伝えるシンプルで視覚的に効果的な手法です。 2つ目はリール広告(動画コンテンツ)で、動きや音を活用することで、より直感的で臨場感のあるメッセージを届けます。 画像広告とリール広告をターゲット層や目的、PRしたい商品やサービスの特性などによって使い分けることで、より有効的に活用できます。

 

  • フィード広告:タイムラインに表示され、ユーザーが日常的に閲覧するコンテンツに自然に溶け込む形で配信される広告
  • ストーリーズ広告:画面全体を使用してインパクトを与え、短時間でメッセージを伝える
  • 発見タブ広告:新しいコンテンツを探す際に目に留まる位置に配置される広告。

 

 

インスタグラム広告の特徴は、視覚的なインパクトを活用し、目的に応じた行動を促す点。 そのため、特に美容業界、ホテル・宿泊業界、ファッション業界など、ビジュアルの印象が購買や利用意欲に大きく影響を与える分野においてより高い効果を発揮する傾向にあります。 鮮やかな画像や魅力的な動画を通じて、ブランドの世界観や商品の魅力を直感的に伝えることができる、インスタグラム広告。 今回の記事では、この中でもフィード広告および画像広告に焦点を当て、具体的な事例を交えながら効果的なデザインや活用法をご紹介していきます。

 

 

インスタグラム広告バナーをデザインするときのポイント

インスタグラム広告といっても、そのすべてが「購買促進」を目的としているわけではありません。 たとえば、次のような目的で広告配信をする場合もあります。

 

  • フプロフィールページへのアクセス誘導
  • 特定のURLへの誘導
  • 商品やサービスの認知・拡散

 

このように、広告の目的はクライアントの広報戦略や状況によって異なるため、まずはその目的を明確にすることが重要です。
この目的設定があいまいだと、広告の企画や戦略の方向性がブレてしまい、成果を十分に引き出せない可能性があります。
そのため、広告を制作・配信する前に、クライアントとしっかりと共有し、目的について共通認識を持つことが必要不可欠。
目的を明確にすることで、より効果的なデザインやメッセージを盛り込むことができ、広告効果を大きく高めることができます。

 

 

 

 

1.ビジュアルにこだわる

インスタグラムは、ユーザーが写真や動画を楽しむことを目的として生まれたプラットフォームであり、ビジュアル要素が広告の結果に大きく影響するSNSです。

 

特に女性ユーザーは、SNSを「ながら見」する時間が長く、特定の目的を持たずに利用していることが多いため、視覚的に「いいな」と思わせるデザインが重要。
視覚的な好意が、スクロールを止めて広告に目を向けてもらえるかどうかを左右します。

 

実際、広告のパフォーマンスは使用する写真や動画によって大きく変動することがあります。そのため、広告デザインを進める際には、
まず「どのような写真や動画を使用するか」を慎重に選定することが欠かせません。ビジュアル要素が広告の第一印象を決めるため、
写真や動画の選定を優先し、それを基にしたデザインを構築することが最も重要だと言えるでしょう。

 

 

 

 

2.視認性を意識する

現在はユーザーが使用するデバイスも多種多様。デバイスだけでなく、インスタグラムを利用するユーザーの閲覧環境もそれぞれ異なります。
そのため、どんなデバイス・環境でも「見やすく」「文字が読みやすい」広告デザインを心掛けることが大切です。
特にフォントサイズに関しては、弊社では「31pt」以上を保つことを心がけており、誰でもストレスなく視認できるよう配慮。
視覚的なストレスを軽減し、スムーズに伝わるように工夫しています。

 

また、最近では「アクセシビリティ」の重要性も増しており、特にコントラスト比に配慮することが求められています。
文字と背景とのコントラストを高めることで視認性が向上し、視力に問題があるユーザーにも配慮した、「優しく、快適なデザイン」を心がけています。

アクセシビリティについて

アクセシビリティとは、障害を持つ人々を含むすべての人が、サービスや製品、情報に平等にアクセスできるようにすること。
視覚、聴覚、運動能力などに制限がある方々にも配慮したデザインや機能、コンテンツを提供することが求められています。

3.コントラストは3:1 以上を意識

コントラスト比のバランスが適切でないと、閲覧環境によっては文字が見づらくなることがあります。
せっかくデザインしたバナーが目に留まっても、文字が読みづらければ内容を認識してもらえません。
そのため、「文字がはっきりと読み取れること」を優先してデザインすることが重要です。 弊社では、コントラスト比が最低でも3:1以上になるように調整し、以下のような視認性が高いデザインを制作しています。

 

 

 

 

4.写真の色味はなるべく明るいものを選定

弊社の実績に基づく統計では、明るい色味の写真を使用した方が良い結果につながることが多いです。
特に、SNSを「ながら見」しているユーザーには、明るい写真の方が目を引きやすく、印象に残りやすい傾向に。
一方で、暗い色味の写真は目を引きにくく、広告の注目度が低くなる可能性があります。そのため、写真選びでは明るい色調を意識することが効果的です。

 

 

 

実際のデザイン実績を女性デザイナーと見ていこう!

 

では、実際の弊社実績のバナーデザインを女性デザイナーのコメントとともにご紹介します。

デザインのポイント

紙の後に続く情報(商品)を、散りばめるような動きのあるデザインにすることで、ワクワク感や「豊富な商品が揃っている」ことを視覚的に伝えることを意識しました。背景には淡いピンクを使用し、優しく温かみのある雰囲気で「母の日」のテーマを演出。また、大きなキャッチコピーには視認性を重視して、濃い色を選び、目立たせるようにデザインしました。

 

※GOOD NATURE MARKET様 母の日ギフト訴求用バナー
※キャンペーンは既に終了しております。

デザインのポイント

「クリスマスディナー」の訴求バナーとして、ディナーのラグジュアリーな世界観を伝えるビジュアルを選定し、リッチな印象を強調したデザインです。タイトル「CHRISTMAS DINNER」の文字は、しっかりと視認できるように配慮し、背景にはベタ色を使用して視認性を高めています。

 

※GOOD NATURE MARKET様 クリスマスディナー
※キャンペーンは既に終了しております。

デザインのポイント

スイーツはインスタグラム広告の中でも特に親和性が高く、ビジュアルの印象から良い結果につながることが多い種類です。その為、写真が持つ美しいシズル感を活かしながらも、バナーを特に印象的に、目立たせるために左側にアクセントカラーを敷いて 印象を強めるようにデザインしました。
「WINTER SWEETS」はコントラスト比を意識した配色と、フォントサイズで配置しています。

 

※GOOD NATURE MARKET様 冬のスイーツ特集
※キャンペーンは既に終了しております。

デザインのポイント

スイーツはインスタグラム広告の中でも特に親和性が高く、ビジュアルの印象から良い結果につながりやすい商品カテゴリです。そのため、写真の持つ美しいシズル感を活かしつつ、バナーを目立たせるために左側にアクセントカラーを加え、印象を強めるようにデザインしました。タイトル「WINTER SWEETS」は、コントラスト比を意識した配色と、視認性を高めるために適切なフォントサイズで配置しています。
クライアントのご希望により、あまり高級感に偏り過ぎず親しみやすさを表現したいという意向を反映するために、フォントではなく、実際に手書きで文字を描き、コピーを配置。温かみと親しみやすさを強調しています。

 

※GOOD NATURE MARKET様 春のスイーツ特集
※キャンペーンは既に終了しております。

まとめ

インスタグラム広告の様々なポイントやデザインの工夫について、女性デザイナー目線でお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?
普段、何気なくインスタグラムを見ていると意識しない部分も多いかもしれませんが、今後目にする印象的なバナーやデザインを見かけた際には、
今回お話しした内容を思い出してみてください。
広告の目的やデザイン意図を意識することで、女性向けデザインの要素をどのように取り入れやすくなるかが見えてきます。

デザインがユーザーの反応にどのように影響しているのか、どんな要素がターゲット層に響くのか、など考えながら広告を見ることで、より効果的なデザインのヒントが得られるでしょう。