Column

2023.08.26

MARKETING

女性マーケティングとは?消費の鍵を握る女性の心理を読み解く

 

多くの場面で消費の決定権を持つ「女性」の消費行動を理解する

女性が関与した消費行動の意思決定は「消費全体の約8割を占める」と一般的に言われているように、多くの家庭では女性が財布を握っています。

家庭生活においても、食材や日々の生活消耗品、家具や家電、また外食や旅行など、妻に決定権があるご家庭も多いのではないでしょうか?

その観点から、企業や事業者が女性目線での販売戦略やPRを考えなくてはならない場面は増えており「女性マーケティング」そのものが高く重要視されています。

 

今回はその女性マーケティングのポイントをいくつかご紹介したいと思います。

 

 

 

女性マーケティングとは

女性特有のニーズや悩みを考慮し戦略設計を行う

 

「女性マーケティング」とは、主に女性ならではの視点を盛り込み、女性に向けて行うマーケティング戦略の総称です。

具体的には、女性の生き方の多様化や価値観の変化、女性特有のライフイベントを理解し、

そのイベントごとにどのようなニーズや悩みが生じるか?を考慮し、販売戦略やPR戦略に落とし込むこと。

近年ではさまざまなシーンで女性・男性の区別をしないジェンダーレス化が加速していますが、

商品の企画やPRをするときに「男性向け」なのか「女性向け」なのかによって、企画のコンセプトやPR手法を分ける必要があります。

それは、「話を聞かない男、地図が読めない女」に代表されるように、生物学的な男女の思考の違いが明確に存在し、

その思考の違いが購買行動を決定するから。そのため、マーケティングを行う上では女性特有の傾向や特徴、思考を理解することはとても大切だと言えるでしょう。

 

 

女性マーケティングが必要な理由

インターネットやAIの発展、SNSの普及とともに、「モノ」と「情報」があふれる現代。

消費者の価値観や生き方も多様化しているなか、企業が提供する商品やサービスの差別化を行う上では、

より細やかなニーズを把握し、掘り下げていくことの重要性が高まっています。

 

中でも女性は男性と比較し、多くの分野で消費意欲が高い人が多い傾向にあります。

特に美容やファッションに関して、女性の消費意欲は非常高く、2022年の化粧品市場を見てみると、

基礎化粧品の全体推計額19,109億円のうち、15,164億円と約8割を占めており、男性は2割程度にとどまっています※。

既婚女性であれば自ら家計を管理しているケースが多いということも、女性マーケティングが必要な理由のひとつです。

 

※出典:株式会社リクルートホットペッパービューティーアカデミー「数字で見る美容業界」

 

 

女性の多面性とコミュニティ

消費に関する決定権を有する場面が多いことに加え、消費行動において女性特有のキーワードは、

「多面性」と「コミュニティ」。例えば、既婚で子どもを持ち、会社員として働く女性であれば、

友人同士の付き合いだけではなく、会社での付き合い、親族との付き合い、

地域社会・ご近所さんや子どもの幼稚園や小学校における関わり・・・など、

一人の女性の周りにはたくさんの異なったコミュニティが形成されることになります。

さらにSNSが発達した現代では、ネット上でのつながりも重要視されています。

このたくさんのコミュニティは、いわば情報交換の場。また、女性はお互いに共感し合えることに喜びを感じ、

感動を共有したいと思うため、口コミが発生しやすいことが特徴です。

リアル・ネット両面でのコミュニティの多さ、そこで発生する口コミこそが、女性マーケティングにおいて考慮すべき重要なポイントのひとつとなります。

 

 

 

女性の購買行動にみる傾向

女性の購買行動を表すキーワードは、「出会い」と「共感」

 

 

一般的に、男性よりも女性の方が買い物の時間が長いと言われています。

特に、ファッションや美容、洋服など自分の趣味・嗜好に関連する買い物になると、その傾向は強くなります。

あらかじめ目的の商品を決めて、その商品だけを購入してさっと帰る、ということもないわけではないと思いますが、

目的の商品があっても「あれもいいな」「こっちも素敵!」など色々と目移りをしてしまったり、

色々と見て回るうちに、目的の商品とは違うものを最終的に購入した、なんてことも多いのではないでしょうか。

 

女性の購買行動を理解するキーワードの一つは「出会い」。たくさんの素敵な商品を見て何を買おうか迷ったり、

その商品を身につけた時の姿をイメージしたり、色々と寄り道をしてしまうのは、

一つの商品を買うことにたくさんの想像を膨らませるという女性特有の心理傾向です。

女性の買い物に時間がかかったり、当初の目的とは全く違う商品を購入するのはこういった理由も起因しています。

つまり、女性にとっての買い物とは、「商品との出会いを楽しむこと」でもあるのです。

 

女性の購買行動を表すキーワード、二つ目は「共感」です。

ファッションやコスメなど、女性がトレンドに敏感なのは、周囲の共感を得たいからという理由が挙げられます。

自分の興味や関心を周囲に伝え、その良さや面白さを共感してもらうことが、女性にとってはとても大切。

また、問題や悩みに直面した時、解決策を求める男性に対し、女性は「話を聞いてほしい」「寄り添ってほしい」など

共感を求める傾向にある点も、日常のシーンにおいて実感することもあるのではないでしょうか。

 

女性脳は、感情を司る右脳と言語を司る左脳の両方を使って話すので、イメージを膨らませながら会話をしたり、

相手の感情を想像して言葉で補ったりと、話がどんどん広がっていきます

このような思考の傾向によって、女性特有の購買行動となって現れているのです。

 

 

女性マーケティングに欠かせない女性視点

このように、女性特有の思考の傾向から、特に消費行動においては男女差がはっきりと表れます。

商品のスペックを重視し、より合理的に商品を求める男性に対し、商品のデザインやストーリー、五感に訴える表現、

膨らむイメージなどに対する共感が消費行動へのきっかけとなる女性。

つまり、商品の品質や価格だけでなく、商品を買う前から購入後までの一連のプロセスを、「商品に関わるすべて」を評価の対象としているのです。

 

男性が商品そのものの良さを追求するのに対して、女性は品質、イメージ、雰囲気、好みかどうかなど、

全てを購入決定の条件として考えながら、口コミなどの情報から共感できるポイントを探し、

最終的には「ピンときた」ものを購入しています。女性をターゲットにした商品やサービスを企画する際には、

この「購入に至る思考のプロセス」を理解し、細部にまで女性視点を織り交ぜながら、

商品開発や販売戦略を組み立てていくことが重要。

女性が関与した消費行動の意思決定は、消費全体の約8割を占めると言われていることから、こういった女性視点を盛り込んだ「女性マーケティング」の重要性がますます注目されています。

 

 

女性マーケティングの成功事例

 

毎日の食品や生活必要品、コスメやファッションなど、一般的に男性よりも日頃の購買頻度が高く、消費に対するアンテナが高い女性。

性別や年代だけで単純に分けてしまうのではなく、ライフスタイルや価値観など細かい視点でニーズを考えることが大切です。

ターゲットとする女性のライフスタイルを把握し、思考や行動のプロセスを理解し、商品企画や集客戦略に落とし込むことが成功の鍵となります。

女性マーケティングの成功は、購入だけでなく、商品やサービスのファン化に繋がり、その価値を一層高めてくれるでしょう。

そんな女性マーケティングに基づいた集客の成功事例をいくつかご紹介します。

 

ワークマン女子 | ワークマン

主に男性を中心とした職人の作業着専門企業として長い歴史を持つワークマンが、

女性をメインターゲットとした商品構成で展開する新店舗「#ワークマン女子」を2020年にオープン。

「ガテン系」のイメージの強い作業服を、「高機能×低価格」という新機軸で、これまで顧客とはなり得なかった「女性向け」という新たな市場へと広げていきました。

ハッシュタグ付きの店名でインスタユーザーの若い女性を取り込むと同時に、同社のファンと想定される顧客をネット上で探し、

「公式アンバサダー」制度を設け、影響力のあるインスタグラマーやYouTuberをPRや商品開発に起用。SNS世代の女性に広く浸透させる戦略が成功につながりました。

 

出典:ワークマン

 

エリスハートサポート|大王製紙

女性が抱える健康問題やライフステージの課題を技術で解決する製品・サービスを展開するフェムテック市場。

テクノロジーの進歩やジェンダー平等の意識向上など時代の流れとともに認知度も高まり、

経済産業省の「働き方、暮らし方の変化のあり方が将来の日本経済に与える効果と課題に関する調査 報告書」によると、

日本におけるフェムテックによる経済効果は2025 年までに約2兆円に迫るとも。そんなフェムテック市場において、

家庭用紙製品の大手ブランド「エリエール」で知られる大王製紙では、2018年からSNSを通じて生理にまつわる女の子の課題の発信・解決を目指す生理用品プロジェクト、「エリスハートサポート」を実施。SNSを活用することでユーザーが参加しやすく、社会の課題解決を目指すプロジェクトは、多くの女性の賛同を集めています。

 

出典:大王製紙株式会社

 

chocoZAP

女性に限ったマーケティングではありませんが、パーソナルジム大手のRIZAPグループが2022年7月にサービスを開始した低価格の24時間セルフフィットネス

「chocoZAP(チョコザップ)」は、わずか1年後の2023年7月時点で820店舗と急成長を遂げ、そのマーケティング手法が話題となっています。

chocoZAPのターゲットは、普段運動を全くしない人。普段筋トレをしている人と、全く運動をしない人を比較すると、

その市場規模の大きさは明らかです。「ジムの顧客=筋トレをしている人」という概念を覆し、

「パイは大きく、競合が少ない」運動をしない人向けの新しい市場を作ったことが、成功の大きな要因となっています。

出典:chocoZAP

 

 

女性マーケティングに興味がある企業様へ

 

 

株式会社NORMは様々なペルソナの女性ターゲットに合わせ、女性に好まれ、購買行動を生む戦略的なデザインやプロモーションを得意としています。

多様な「女性視点」で考える、伝えたい人に伝わるデザインやコミュニケーションを設計します。

 

  • 女性がターゲットの商品・サービスをPRしたいが社内に女性スタッフがいない
  • 女性心理を戦略的にデザインに生かしたい
  • WEBもSNSも販促で活用をしたいが、方法がわからない
  • 女性目線でのデザインや表現を依頼したい

 

などの課題をお持ちの企業様、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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