Columnコラム

2023.09.08

Design

女性デザイナーが解説! 女性に響く女性向けWEBサイト 参考デザインとポイント

女性向けデザインを制作する前に、女性マーケティングについて理解するべし!

 

 

「世の中の消費のほとんどを女性が握っている」そのような話を聞いたことはないでしょうか。
実際に、世帯消費の8割を女性が決定し、9割に関わっているという消費行動についての調査結果が発表されています。
確かに、身近な家庭生活においても、毎日の食品や生活用品、子供の習い事や教育関連、お歳暮やお中元などの贈答品など、
女性が主体となって意思決定をしている消費が多いことが実感できますよね。
日常の細々とした消費のみならず、住宅や車、旅行などの比較的高額な消費をする際にも、女性の意見が少なからず反映されていると言えます。
つまり、多くの女性の購買行動には、「自分のためだけに」という動機だけではなく「家族のために」「誰かのために」商品を選択し、意思決定し、購入するという特徴があるのです。

そんな世の中の消費の鍵を握る「女性」に響くWEBサイトを作りたい。
コスメや美容など、いわゆる女性をターゲットにした商品やサービスを展開する企業様だけでなく、
その他の多くの企業様も、そのように考えられているのではないでしょうか。

「女性受けのよいデザインって??」
「女性向けのWEBサイトを制作するには、どんなところに注意すればいいの?」
「トレンドはどのくらい意識するべき?」
「参考にするべきデザインが見てみたい!」

などなど、本記事ではデザイナーである筆者が、上記のお悩みを解消するべく、
「女性に響く」デザインを考える上で大切なポイントについて解説します!

 

 

男性向け」・「女性向け」のイメージを作り上げる構成要素とは?

女性向けのデザインを解説する前に、まずはどういった要素から「女性らしい」「女性に好まれそう」という印象が生まれるのか、整理をしてみましょう。

 

こちらは、WEBデザインの参考サイトで「女性向け」「男性向け」と検索し、それぞれのデザインを一覧で表示したものです。
ぱっと見の印象でも、「女性向け」「男性向け」とはっきりと異なっており、どちらが男性向けでどちらが女性向けなのかは、一目瞭然ですね。
中でも特に違いが顕著なのが、使用しているカラーの印象。
女性向けデザインは淡いパステルカラーやグラデーションカラーを採用しているのに対し、男性向けデザインは「ブラック」「ネイビー」など
ダークな色味が使われがちで、黒の背景に赤やオレンジの文字など、比較的コントラストがハッキリしたデザインが採用されがちです。
また、構成やレイアウトについても、直線的なイメージの男性向けデザインに対し、女性向けのデザインには曲線が多用されているのも特徴の一つ。
アシンメトリーだったり、ランダムだったり、「揺らぎ」のあるデザインが女性に好まれがちだということが分かると思います。

 

その他にも、使用するフォントや写真の色味なども印象を左右する大事な要素です。
女性向けデザインにはイラストや水彩画が多く使われている点も、男性向けデザインにはない特徴の一つですね。

 

 

このように、色・レイアウト・写真・フォント・イラストなど、様々な要素の組み合わせで
「女性向け、女性らしいデザイン」と「男性向け・男性らしいデザイン」のイメージが作られていきます。
では、女性向けデザインと男性向けデザインの違いや特徴が理解できたところで、本題の「女性向けデザイン」について、
さらに細かく細分化して解説していきましょう。

 

 

一言で「女性向け」と言っても多種多様!女性向けWEBサイトの参考デザイン

男性向け・女性向けのデザイン比較で説明した通り、「女性向けデザイン」の大まかな特徴は共通していますが、
その中でもシンプルやフェミニン、クールやエレガントなど、さらに細かく細分化することができます。
女性向けデザインにおけるテイストについては、ターゲットとなる消費者の属性をリサーチし、ペルソナを設定。
トレンドや商品・サービスの特性を考慮し、より好まれるデザインテイストを把握することが必要です。

 

例えば、40代女性をターゲットにした高級ラインの化粧品を販売するのに、パステルカラーやペールトーンを多用した
「キュート&ファンシー」なデザインでは、商品やターゲットと乖離したデザインになってしまいます。
この場合は落ち着きや上質なイメージの中にもかっこよさが光るモノトーンのデザインや、
エレガントさを前面に演出するデザインの方が、ターゲットや商品との親和性が高いと言えるでしょう。
逆に中高生の女子をターゲットとした商品・サービスには、トレンドを反映したポップさやキュートさが不可欠です。

 

では、それぞれのデザインテイストについてポイントを解説していきましょう。

 

 

 

ヘルシーさや心地よさを表現するシンプルデザイン

抽象的ながらどこか心を捉える美しいビジュアルが印象的なデザインです。
余計な装飾は一切加えず、写真の美しさで世界観を表現。余白を多めに設けたデザインは、自社商品への自信と誇りを感じさせます。
このようなシンプルなデザインは、華やかさはないけど、しっかりと信頼できるモノを選びたい、周りに流されずに自分の軸を持っていたい、
という30代以上の「大人女子」の心を捉えるデザインだと言えるでしょう。

 

 

 

オルビス株式会社 ORBISブランドサイト
https://www.orbis.co.jp/brand/

 

 

 

写真で世界観を表現。シンプルの中にもクリエイティブさが光るデザイン

こちらもニュアンス感のある写真をメインに構成したシンプルデザイン。
フォントを強めのゴシックにすることで、女性にも好まれるデザインでありながら、
中性的な雰囲気を醸し出しているため、男性にも受け入れられやすいデザインですね。
感度が高いオシャレ女子のインスタを覗いてみると、このようなニュアンスの写真も多く、
特に感度の高いクリエイティブ系の女性の刺さるデザインです。

 

 

 

 

株式会社ベーコンシアター クリエイティブマガジンGRIN
https://grinweb.jp/

 

 

適度にトレンド感を取り入れ、幅広い年代の女子の「かわいい!」を表現したデザイン

一般的に、ピンク色といえば女の子らしいモチーフに結びつけがちですが、「ピンク」ほど奥深いカラーはないと言っても過言ではないほど。
ビビットなホットピンクやマゼンダ、落ち着きのあるサーモンピンクやダスティピンク、ファンシーなベビーピンクやピギーピンクなど、
ざっと20種類以上のカラーが存在しているのです。
こちらのサイトは、その中でも少しくすみの入った青みピンクを使用しているため、可愛いらしくなりすぎず、スタイリッシュな印象に。
背景にピンクを使用するのではなく、文字やポイントカラーとして使用することで、幅広い年代の女性に受け入れられるデザインになっています。

 

 

株式会社ワコールホールディングス ワコールブランドサイト
https://www.wacoal.jp/wacoalbrand/

 

 

モノトーンの世界観が美しい。質の高さを感じさせるクールなデザイン

ファーストビューの写真とシンプルなメッセージで見事にバーミキュラの世界観を表現したクールなデザインです。
余計な装飾を加えず、あえてダークな色味の写真でトーンを揃えることで、より商品が際立つよう設計されています。
バーミキュラブランドのターゲットのペルソナは、「プロユースの調理道具が好き=料理にこだわりを持つ30〜40代の一般男女」。
当初は主婦層の購買がほとんどだったものの、ビジネス媒体などに露出をするようになり、男性のユーザーも増えてきたそう。
そのようなターゲット戦略を見据えたデザインとなっています。

 

 

 

株式会社愛知ドビー バーミキュラブランドサイト
https://www.vermicular.jp/

 

 

優美さ・上質さを表現し、イメージを美しく膨らませるエレガントなデザイン

コンセプトは、従来のモデルルームではなく、「人生をデザインするミュージアム」。
そのコンセプトに沿う色やフォント、写真のトーンのチョイスがワンランク上の上質さを感じさせてくれるデザインです。
消費財の中でも、一番と言っても過言ではないほど規模の大きな「住宅」というお買い物。購入するか否かの鍵を握るのは、やはり女性です。
ターゲットとなる30代〜40代の女性の中でも、比較的エレガントでラグジュアリーな暮らしがしたい。
そんな女性のイメージを喚起させるサイト設計・デザインとなっています。

 

 

 

関電不動産開発株式会社 シエリア大阪梅田ライフデザインミュージアム
https://www.cielia.com/m/lp/lifedesign/

 

 

手書き・イラストを用いて優しさと温かみを伝えるデザイン

柔らかな曲線と手書き文字・イラストを多用することで、優しさや温かみを表現。
人の手の温もりが感じられるデザインです。こういった手書き文字やイラストはよりオリジナリティが発揮できるため、
ターゲットに向けてより深く訴求することが可能です。
フォントカラーやキーカラーを緑にすることで、年代を問わずナチュラル思考の女性に寄せたデザイン。
「髪にも地球にも優しい」というコンセプトの通り、WEBサイト全体に「優しさ」が漂う、女性に好まれやすいデザインとなっています。

 

 

 

牛乳石鹸共進社株式会社 madocaブランドサイト
https://www.cow-madoca.jp/

 

 

 

コレだけは押さえておきたい!女性向けデザインのポイント

 

ターゲットのペルソナ像を明確にイメージする

 

 

ペルソナとは、商品やサービスの理想の顧客の人物像のこと。
コンテンツマーケティングやリードナーチャリングなどのマーケティング活動においてペルソナは必須です。
年齢によってはもちろん、ライフスタイルや趣味嗜好、家庭や子供の有無などで、好まれるデザインの傾向はどんどんと細分化されていきます。

 

ペルソナ設定において大切なことは、理想の顧客像がどういった属性で何に興味を示し、どんな趣味嗜好を持っているのか。
あるいは、どんな悩みごとを抱えていて、何に苦労しているのかを知り、理解すること。
それによりターゲットの行動や心の動きを予想することができるようになるため、

 

・どのようなデザイン・テイストに惹かれるのか
・トレンドはどの程度取り入れるべきか
・シェアしたくなるデザインとはどのようなものか

 

など、デザインの大まかな方向性を決めることができます。

 

 

ペルソナ設定について、さらに詳しく関連記事を読む
https://norm.co.jp/column/2021/05/persona/

 

 

女性の心を動かす、エモーショナルなコピー

女性が人生に求めているもの、それは「プリンセス・ストーリー」だと言われています。
「プリンセス=理想の自分」を常に追い求めている女性たちは、「理想の自分に近づけるかも!」と
思わせてくれるデザインやキャッチコピーに深く共感し、行動を起こすのです。
つまり、コピーによって「理想の自分(=プリンセス)に近づくことができる商品やサービス、体験を得られる絶好の機会ですよ」と
言葉で表現し伝えることは、ターゲットの行動を促す非常に重要なポイントと言えるでしょう。

 

そんな女性に訴えかけるコピーとしては、「ストーリーを伝え、読者の心を揺さぶる」エモーショナルライティングがおすすめ。
起承転結の「結」の部分で結論を述べるエモーショナルライティングライティングは、文章にドラマ性を与えるため、
イメージを喚起させて消費行動を起こす女性に効果的です。ターゲットの興味や関心を引き出し、感情的にゆっくりと引き込むことができます。

 

コピーライティングについて、さらに詳しく関連記事を読む
https://norm.co.jp/column/2023/01/womanrighting/

 

 

印象を大きく変える「フォント」使い

女性向けWEBデザインの制作において、非常に重要となってくるのが「フォント」の選定。
先ほどコピーライティングの重要性を説明しましたが、そのコピーにより説得力を持たせるために、どのフォントを選ぶのか?が重要となります。
女性は直感的に「好き・嫌い」「自分に関連があるか・ないか」「イメージが膨らむか・そうでないか」を判断するため、
ぱっと見の印象を左右する「フォント」がターゲットのイメージに沿っていないと、どんなにいい内容でも「あまり好みではない」という印象を持ってしまいます。
一般的に女性向けのデザインでは、太く硬い印象のゴシックよりも、細く繊細なフォントを選びがちですが、
コピーと本文にメリハリをつけることによって伝えたいメッセージをより効果的にすることができます。
伝えたいイメージと、何を最も伝えたいのか、を考えてフォントやサイズを選択しましょう。

 

また、カリグラフィーなどデザイン性の高い文字は、視認性に欠ける場合が多いので、あしらいとしてデザインの一部とするなど、
「わかりやすさ」「読みやすさ」も同時に意識することも必要なポイントです。

 

 

フォントが特徴的なWEBサイト例:

 

 

 

 

 

 

 

女性向けデザインのまとめ

いかがでしたか?
女性に好まれるデザインや、女性向けWEBサイト制作時の注意点や着目するべきポイントなど、
何度なくイメージを掴んでいただけたのではないでしょうか。
ご紹介した事例を参考に、ポイントを押さえていただき、ぜひ女性の心をつかむWEBサイト制作にお役立てくださいね。

女性マーケティングに興味がある企業様へ

 

 

株式会社NORMは様々なペルソナの女性ターゲットに合わせ、女性に好まれ、購買行動を生む戦略的なデザインやプロモーションを得意としています。

多様な「女性視点」で考える、伝えたい人に伝わるデザインやコミュニケーションを設計します。

 

  • 女性がターゲットの商品・サービスをPRしたいが社内に女性スタッフがいない
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  • 女性目線でのデザインや表現を依頼したい

 

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