Columnコラム

2021.04.12

Design

”女性向けデザイン”への考察

 

一般的に全体消費のうち消費行動の意思決定の約8割に女性が関与しているとされており、

多くの家庭においても「財布を握る」役割を担い、市場におけるインパクトが非常に大きい女性消費者。

働く女性の増加や、世界共通の目標として掲げられるSDGs項目「ジェンダー平等の実現」などを背景とし、

女性市場はますます拡大していくでしょう。

しかし、女性の消費行動は必ずしも「自分自身のため」ではありません。

家族のためであることも多く、ライフステージや女性が持つとされる社会的役割にも強く影響されていることが分かります。

 

一口に「女性」と言っても、10代の女子高生と40代の子育て中の主婦、また60代のシニア世代では、

ライフスタイルや好み、興味・関心が好みが全く違うことが多いのは、当然でしょう。

同じ10代の女子高生でも、フリフリのデコレイティブなかわいいものが好きな子がいたり、

よりシンプルでスタイリッシュなのが好きな子がいたりと様々。

女性の好みは、洋服売り場の数や種類を見てもわかるように、男性よりも多岐にわたっているといえます。

 

では、30代の女性ではどうでしょうか?

仕事、キャリア、家庭、子どもの有無、趣味、親戚付き合い、ご近所付き合い・・・

個人の好みに加えて、ライフステージ・ライフコースという多様な選択肢が加わり

10代の頃よりも複雑に枝分かれしており、とてもひとくくりにすることはできませんよね。

 

 

 

女性ヘルスケア市場を専門とするマーケティング会社が運営する「ウーマンズラボ」では、

女性マーケティングを「女性を学術的に捉えた上で多様な視点から女性市場を分析し、

その内容を事業戦略に活かすこと」と定義し、女性マーケティングの構成要素を以下のように説明しています。

 

●「社女性を取り巻く社会的背景と、生物学的性差」

体形、ホルモンの分泌量の違い、妊娠能力の有無、PMSや月経痛の有無といった生物学的な違いや、

長い歴史の中で世界中で続いてきた性別役割分業の概念

 

●「女性特有の心理・行動」

「女性は"戦う"ことよりも"平等"を求める」「女性がメインで家事・育児・介護を担っている」

「月経前になると感情が不安定になり怒りっぽくなる」など女性特有の心理や行動

 

●「ライフコース・ライフステージごとのニーズや消費傾向」

出産後も働き続ける女性は、独身女性や専業主婦、既婚男性と比べて「時短家電」「時短食品」など時短をテーマにした消費が活発。

この消費行動は「母親がメインで家事・育児を担うもの」という性別役割の概念と

「仕事と家事・育児を両立させたい」という女性の心理から成り立っている

 

参考:ウーマンズラボ/女性マーケティングとは

https://www.womans-jp.com/marketing

 

 

私たちNORMは、そんな多様化する女性の価値観をひとつひとつ丁寧に汲み取って、

本質的な願望や想いを引き出し、行動に移させるデザインを提供しています。

女性には、ライフステージやライフコース、そしてコミュニティの数だけ「人格」があるため

ターゲットを明確化するペルソナ設定は意味がないと考えています。

 

あしらいやフォント、カラーなど表面的な「女性向け」のデザインではなく、

女性の本質的な願望や想いを引き出し、消費行動へとつなげていくことこそが

私たちの「女性デザイン」への考え方です。

そのためには、自らが多様であること、柔軟性があること、変化を恐れないこと。

自分を枠にはめるのではなく、多様な考え方や新しい価値観との接点を積極的にもつことで、

普遍でありながら、常に変化し続ける、そんな女性の多様性を表現し続けたいと思っています。

 

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